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" The Passion
of Christ
"
メルギブソンの意欲作、イタリアで制作中
レポーター:NY閑人 2003.1.13
メルさんのインタビュー
2003年1月13日 "The O'Reily Factor"(FoxCable)
プライバシー侵害
一昨日(1/13)「オライリーファクター」というTV番組でメルギブソンがインタビューされてました。この番組は主に政治、社会問題を取り上げているので、新作映画の紹介が目的ではありませんでした。
メルさんのプライバシーを必要以上に探っている連中がいるという話でした。ロケ先イタリアで新作 "The Passion"を撮影中のメルさん、いつもより真剣な顔でビデオ・インタビューに応じていました。
メルさんを怒らせたレポーター
特定の宗教をテーマにすると、必ず反対する人が出てきます。"The Passion"も宗教的なテーマを真正面からぶつけるため、撮影の邪魔をしようと企む人間がでてきたそうです。
メルさん個人の銀行預金や資産、友人関係、家族や親戚、その他のプライバシーを必要以上に執拗に掘り出そうとする各大手新聞*のレポーターがメルさんの身辺をうろつき始め、こともあろうに85歳のメルさんの父親に近づき、騙して、プライベートな話を誘導しようとしたそうです。
(*ニューヨークタイムズ紙のレポーターについての後記があります)
年寄りを混乱させて話を引出し、その言葉のアヤを捉えて「事実」として報道しようとする大手メディアの魂胆が、メルさんを今までになく怒らせたとか。
ロケ先イタリアにて
エキストラ5000人
さて、その "The Passion"ですが、かなり凄いエピック映画になりそうです。ロケ先は主にローマ近郊の Cinecittaと昔ながらの石造りの家々が建ち並ぶイタリア南部の Materaという町。
その Materaでローマ兵を演じるエキストラを募ったところ、5千人以上が押しかけたそうです。「ワシャ、メルギブソンの映画の画面に一秒でも出られたら、日当なんか要らんのよ」と60歳になるエクストラの一人が言ったとか。因みに日当は5千円ぐらいとか。
死語に挑戦
自分の好きな作品 "Braveheart(1995)"でアカデミーの最優秀監督賞をとったメルさん、この "The Passion"も自分が長年(10年ぐらい)温めていた作品のため、プロデューサー兼監督としてかなり意欲を燃やしているようです。
リアリティを増すために、すでに死語になって今では会話に使われていないアラム語(ヘブライ語の派生語)とラテン語でセリフが交わされるそうです。ところが字幕は敢えてつけないことにしたそうです。つまり、歌舞伎やオペラのように、すでに新訳聖書を知っている観客が、言葉は分からなくても形や振りで理解する作品らしいです。実生活でも信仰深いジェームズ・カビーゼルがイエスを演ずるというのも納得がいきます。
公開日は、もちろん、また未定です。
後記(2)にも書きましたが、来年3月に決まったそうです。
(NY閑人レポーター)
後記(1)
ちょっと残念なNYT紙の記事
2003年3月9日付のNYタイムズ紙のマガジン欄に、メルギブソンの「パッション」製作や父親ハットンギブソンとのインタビューについての記事が載りました。
ギブソン一家、特にハットンギブソンはキリスト教の「伝統派」に属し、「イエスが殺されたのは、ユダヤ教のオーソリティたちの陰謀でローマ人が磔に架けるように持っていったためである」と主張する一派だそうです。ハットンはホロコーストのユダヤ人大虐殺も信じないそうです。
しかし「イエスの苦しみが何を意味するのか」を説くよりも、「イエスが殺されたのは誰のせいか」と訴えるのだとしたら、「イエスの復活」に何の意味もなくなってくるのではないでしょうかねぇ。
もちろん、メルさんは「この作品は、ユダヤ教オーソリティの陰謀を暴くのではなく、イエスの教えの深さを説くのが目的だ]と言ってます。
ユダヤ教をイエスが自ら説き直しはしたけれど、その教えをキリスト教として、のちにユダヤ教から分離させたのはイエス自身ではなく、政治的作為をもったキリスト教のオーソリティたちで、果ては、勢力拡大のため、ユダヤ教からキリスト教を隔離させるだけでは気が済まず、ユダヤ教からの派生と見做されるのを拒んで、逆にユダヤ教に反するように仕向けるために「ユダヤ教のオーソリティの陰謀話」を全面に出すようになったとみることもできます。さて、メルさんの作品ではどのように解釈されているのでしょうか。
後記(2)
ポストプロダクション:字幕[2003.6.26 ]
上記にも書きましたが、メルギブソンの「パッション」は、撮影中から、「ユダヤ偏見」と疑われ、メルさんの家族にまでNYタイムズ紙レポーターが押しかけたり、最近では、一部の保護団体から「台本を書き直せ」と訴えられそうになったり、かなりの論争を醸し出していました。 しかし「どうしても作らずにいられなかった」とこの作品に人生の信念さえ見せるメルさん、そういう周りの野次には惑わされず、キリスト最後の12時間「パッション」のポストプロダクションをようやく完成したようです。
この作品の公開は来年3月ですが、去る6月26日、コロラド・スプリングを訪れたメルさん、ニューライフ教会とフォーカスオンザファミリーという宗教団体の関係者たちにフィルムを紹介したそうです。キリスト教団体のリーダーや関係者たちに、この作品の評価をしてもらうのが目的だったようです。
ラテン語とアラム語のみのセリフに「字幕をつけない」という話でしたが、この日紹介した作品には字幕が付けられていたそうです。作品をみた人たちの間でも「やはり字幕は付けたままの方がいい」という意見があったようです。
作品の評価は大変よく、「よくも、このような作品を作ってくれました」と感謝する人に向って、「いや、作らずにいられなかったんだ」とメルさん。「この作品の制作中、スタッフや関係者全員が考えを変えたようだ。中にはキリスト教に懐疑的だった連中もいたけど、そういう連中や回教の信者が、キリスト教に改宗した者もいるよ」っと、かなり凄いこと言ってま〜す。
後記(3)
タイトル変更[2003.10]
タイトルを "The Passion" から "The Passion of Christ"に変更せざるを得なくなったらしいです。大会社ミラマックスが "The Passion"という別の作品のタイトルの所有権を持っているからだそうです。同名のタイトルの映画はたくさんありますので「タイトルの所有権」なんてないと私は思ってましたが、ま、大会社ミラマックスが力まかせに嫌がらせしてるのかも知れませんねぇ。
公開予定日変更[10-23-03]
メルさん自身の経営するプロダクション会社「アイコン」は、欧州や豪州マーケットでは配給も兼務するらしいですが、米国内マーケットは Newmarketという配給会社に任せることにしたらしいです(Newmarketは私の好きな「メメントー」を扱ったところ)。この作品、来年のイースターに公開する予定でしたが、少し早めて、2月24日のアッシュ・ウェンズデーに公開することにしたらしいです。つまり、オスカー授賞式の5日前の公開となるらしく「いったい何考えてるんだろ〜。商売っ気ないなぁ」と思う人が多いでしょうね。中年になって、ますます頑固になったメルさん、「オスカーなんか目じゃねぇや」というところらしいです。
撮影中のミラクル
この作品でキリストを演じているのがジェームズ・カビーゼル。イタリアでロケの最中、嵐になり、カビーゼルとその隣りで傘をさしていたアシスタントに雷が2つ落ちたそうです。1つはアシスタントの傘にビビッと電撃を走らせ、もう1つは完全にカビーゼルの頭を撃ち、彼の耳から光が放たれたように見えたそうです。ところが、二人とも怪我一つなく、無事だったということです。「パッション」の撮影中には、このように面白いエピソードがたくさんあるんだそうです。
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